12. 歩行


 歩行に異常がみられる場合、次の6つが考えられます。
(1) 骨折ならびに脱臼などの関節障害
(2) 筋肉、靭帯の異常
(3) 皮膚、皮下織の異常(主として細菌感染)
(4) 神経系の異常(主として脊椎の損傷)
(5) 血管系の異常(主として大動脈の血栓症)
(6) 上記が合併している場合


●ポイント1
猫では、(1)(3)の場合が圧倒的に多くみられます。
 (1)では痛みが強く、さほど熱感がありません。完全骨折では足が異常な動きをみせます。また、皮下に内出血がみられる場合が多くみられます。
 (3)ではやはり痛みが強く、ほとんどの場合熱感があります。時には皮膚が破れて膿が出ている場合もあります。いずれにせよ早めに動物病院へ行って下さい。
 突然、異常な悲鳴とともに、両後肢が立たなくなってしまった場合には、(5)の大動脈分岐部血栓症が疑われます。この場合、後肢の痛みが強く、冷たく、血の気がなくなり(爪の血管の色が紫色になってしまいます)、肢動脈拍を触知しなくなります。肥大性心筋症という心臓の病気によるもので、放置すれば死んでしまいます。すぐに動物病院へ行って下さい。


●ポイント2
 歩行の異常がある場合には、痛みを伴っていることが多く、うっかり無造作にさわろうものなら、噛みつかれたり、ひっかかれて、ケガをすることもしばしばあります。十分な用意をして、やさしく取り扱うようにしましょう。(保定・運搬を参照)

 以上のように歩行の異常の原因は様々で、処置の方法もそれぞれ全く違いますから、やはり素人療法は禁物といっていいでしょう。

早めに動物病院へ行ってください。
交通事故による後肢の複雑骨折  
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